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映画【インディ・ジョーンズ最後の聖戦】考察・ネタばれ / 父親と聖杯から読み解く

『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』インディとヘンリーが銃を構えている

インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』TM & (C) 1989, 2021 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

不老不死という永遠のアドベンチャー要素

『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』(1989年)は、大人気アドベンチャーシリーズ『インディ・ジョーンズ』の第3作目。舞台は第1作目から2年後の1938年。不老不死の力が宿るとされるイエス・キリストの幻の聖杯を求めて、宿敵のナチス軍とまた争奪戦を繰り広げます。インディの父親であるヘンリーが登場し、展開は思わぬ方向へ…?今回も前作同様スティーブン・スピルバーグ監督とジョージ・ルーカス原案のタックで作製された映画で第62回アカデミー賞では音楽編集賞を受賞した映画でもあります。

 

まだ、映画をご覧になっていない方は、下部の概要・あらすじ・予告編へ!

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ネタバレあり!感想・考察

 第1作レイダース/失われたアーク《聖櫃》(1981年)や第2作インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説(1984年)で明かされなかったインディの私的な部分(幼少期や家族、父親など)が描かれ、アドベンチャー要素・謎解き要素だけでなく、登場人物の心情変化があることでよりストーリーに厚みが出ていると感じました。

父親(ヘンリー)はなぜ聖杯を諦めた?

『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』ヘンリーがインディを怒鳴りつけいるシーン

インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』TM & (C) 1989, 2021 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

 インディの父親ヘンリーを演じたのは、初代ジェームス・ボンドで知られるショーン・コネリーです。このヘンリーはなぜ聖杯を諦めた(インディにほっておけと言った)のでしょうか?まず、ヘンリはー”趣味”で聖杯を20年研究しているとインディは言います。しかし、研究に没頭するあまり妻(インディの母親)をないがしろにしてしまったまま亡くなってしまいます。バイクに乗っているシーンでヘンリーはインディに信仰について語っていることからヘンリーは信条深く、このことに罪を感じていたと思われます。それを償うためせめて没頭していた聖杯は見つけ出したかったのです。しかし、インディが最後地割れに飲み込まれ、なんとか聖杯を取り出そうとしているシーンでは、過去と同じ過ちを繰り返して大切な人(妻とインディ)を失わないようにしたかったため、”もうほおっておけ…”といったのではないでしょうか。最後のセリフに、聖杯は”光”だと言っていますが、これは妻への贖罪をインディという大切な人への認識に変えてくれた”光”で、ヘンリーを救ってくれたのではないでしょうか。

聖杯と不老不死

『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』インディとヘンリーが炎から脱出するシーン

インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』TM & (C) 1989, 2021 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

 キリストの血を受けたとされる幻の聖杯は不老不死の力があるとされていました。実際にインディも聖杯で汲んだ水を飲み、またその力を使ってヘンリーの傷を治します。つまり2人は不老不死の力を手に入れた?ことになりますが、700年生きた最後の兄弟の生残りの男は、この力の代償として紋章の外では不老不死の効果は発揮できないと告げます。また聖杯は1VS1の決闘に勝利したものへ受け継ぐとあり、他2人の兄弟が死亡していることからも限定的な不老不死と考えます。このことから2人は不老不死ではなく、普通の人間に戻ったと考えます。

 

 

エルザはなぜ聖杯を?

『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』インディとエルザが聖杯の手がかりを入手するシーン

インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』TM & (C) 1989, 2021 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

 エルザはDr.と呼ばれていることから考古学者ですが、危険を犯してナチス軍やドバノンを利用して聖杯を手に入れようとします。なぜエルザは聖杯が欲しいのでしょうか?ナチス軍が焚書(聖書を燃やしている)しているシーンではそれを見つめながら涙を流します。このことからヘンリー同様、エルザも信条深い人間だと考えます。しかし聖杯を目の前にして大興奮していまい、地割れに飲み込まれてしまいます。ヘンリーの「彼女にとってはただの宝物だった」という最後のセリフから、信条深さゆえの”興味”から欲望としての”興味”に変わってしまい、救われなかったのではないでしょうか?(ヘンリーとの対比)

個人的総評

 個人的にはアクションと謎解き、アドベンチャー要素がシリーズの中で一番バランス取れた作品だと思います。父親との関係性のストーリーもあり、インディがヘビを嫌いになった理由、ムチを使うようになった理由など、インディ・ジョーンズシリーズを見てきた人にとっては心を掴まれる作品でした。

評価:星4.5

 

この映画の続きとしては、この19年後に作製されたインディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国(2008年)です。そしてなんと2022年7月にインディ・ジョーンズ5が公開予定です!!1作目であるレイダース/失われたアーク《聖櫃》(1981年)から41年、インディ・ジョーンズが帰ってきます!しっかり復習して劇場に望みたいですね。

復習は下記リンクより

▶第1作目:レイダース/失われたアーク《聖櫃》(1981年)

▶第2作目:インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説(1984年)

▶第4作目:インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国(2008年)

↓に過去作のレビューがありますのでお時間あったら御覧ください

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インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』

概要

『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』ジャケット画像

インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』TM & (C) 1989, 2021 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

題名   :インディ・ジョーンズ/最後の聖戦

原題   :Indiana Jones and the Last Crusade

公開   :1989/7/8

国    :アメリ

上映時間 :127分

ジャンル :アクション、アドベンチャー

あらすじ

キリストの聖杯を追うナチスが、聖杯の権威であるインディの父親を誘拐した。インディは、ネズミだらけのベニスのカタコンベを駆け抜け、ナチスパイロットとのスリル満点のドッグファイトに挑み、強大な火力を誇る戦車に果敢に立ち向かう。聖杯に秘められた、命を与えそして奪い去る能力が明らかとなるとき、インディと彼の父親に残された時間も残りわずかとなる!

-Filmarks あらすじより-

https://filmarks.com/movies/34707

予告編

www.youtube.com