映画【ルーム】感想・ネタばれ / やばすぎる実話を基にした衝撃の胸くそ映画
はじめに
映画【ルーム】についてのレビューです。
見るのに気合がいるな…と感じていた作品
個人的評価: ★★★★☆ 4.0 / 5.0
この映画を一言で
はらはらきりきり母の愛
こんな時におすすめ
実話を元にした映画を見たいとき
ハラハラする映画を見たいとき
母×子の感動映画を見たいとき
あらすじ
突然の監禁から 7 年の時が経ち、母は全てを賭けた脱出を決意する。奪われた人 生を取り戻すために、何より〈部屋〉しか知らない息子に、〈本当の世界〉をみせるために―。衝撃に胸をつかれ、生きる輝きに嗚咽が漏れる、世紀の愛の物語。
https://filmarks.com/movies/64460
ーFilmarks あらすじよりー
感想 -ネタばれあり-
この映画は、エマ・ドナヒュー著書の本「部屋」を原作とした映画である。この本の「部屋」は、ニューヨークタイムズの2010年のフィクション・ベスト5に選ばれた作品です。
あれ?フィクションだし、原作本だし、どこが実話をもとにしているの?
っと思うかもしれませんが、この本の「部屋」は、実際に起こってしまった監禁事件に影響を受け執筆された本だったのです。
それは、オーストリアで起きた「フリッツル事件」です。
原作が気になる方は下記リンクから
事件については色々調べましたが、映画の感想を優先したいので割愛させていただきます。(ブログに書くには重すぎる内容ですし、気分が落ち込むのでやめました)
つまり、映画「ルーム」はフィクションですが、このような監禁事件は実際に起こっていた…っということです。
この映画はフィクションだということを踏まえてレビューします。
この映画は前半は母の愛と子供の苦悩が、後半は母の苦悩と子供の愛が描かれていると思います。
たった6畳ほどの "部屋" しか知らない5歳のジャックは、毎朝ランプや自作のおもちゃ、テレビに挨拶をすることから始まる。
そのあとにストレッチとゲーム感覚でできる運動をしています。
これらのシーンから言葉の練習・運動不足にならないようできるだけ工夫してできる限りのことをジャックにしています。
ジャックにはこの部屋しかないけれど、唯一存在している母親としてものより重要な愛情を注いでいます。
異常な状況をたとえ話や作り話で理解がしやすいよう、ジャックに ”ルーム(世界)” を教えてきました。
これも母の愛です。
ジョイ(母親)が7年もの監禁生活で恐怖によって制御されていたのにも関わらず、最も危険な脱出を決意させたのも母の愛ではないでしょうか?
それはオールドニック(糞野郎・父親)が来てベッドで寝ている時にジャックが不意にオールドニックと対面してしまうシーンです。
オールドニックが来ているときはクローゼットから出てきてはいけないと
いう約束を破り、出てきてしまったジャックはオールドニックに話しかけられます。それに気づいたジョイがものすごい勢いで間に入ろうとします。
恐怖で支配されている人がそれを覆す行動をするにはかなりの強い意志が必要です。
過去に脱出を試みて手首を捩じられケガしたジョイにとって歯向かえたということは、息子を思う愛が勝ったということではないでしょうか。
この息子を思う気持ちに改めて気づいたジョイは脱出を決意したのではないでしょうか。
脱出するには今まで教えてきた世界(ルーム)の嘘と真実を伝えなけばなりません。
生まれた時からこの ”ルーム” にいるジャックにとってはこのルームで起こっていること・母親の言葉のみが世界そのものであるため、あるいみ正常に成長しています。
世界は広いこと、テレビの人は存在すること、私は17歳で誘拐されたこと、7年間監禁されていることなどジャックに話していきます。
しかし、いきなり世界を変えろと言ってもジャックは混乱してしまいます。子供の苦悩です。
しかしママを助けてというお願いにジャックも答え、少しづつ理解して脱出に協力していきます。
顔をやけどさせるシーンや、カーペットにくるまれて苦しそうにしているシーンは、ぶっちゃけもう見たくないぐらい心を締め付けます。
脱出するシーンはとてつもない緊迫感に包まれてハラハラしながら応援してました。
そのあとの警察官の対応は迅速・有能で思わず うぉーーー!ってなります。
保護されてからの後半は、母の苦悩と子供の愛です。
TVのインタビューの中で、父親について聞かれたときにジョイは
記者の生物学的上の父親ですよね?に対して「親は私一人です。だって父親は子供を愛する人でしょう?」と言い切りました。
しかし、そのあとの質問の
「ジャックにとって最良の選択は何だったのでしょうか?オールドニックに相談して病院に保護してもらう等をすればジャックは普通の子供時代をおくれたのでは?母親のわがままでは?」という問いに関しては、答えられませんでした。
(この記者は人の心というものがないのかーってイライラしました)
ずっと引っ掛かっていたこの質問こそが母の苦悩です。母の愛と表裏一体の苦悩です。
ジョイは自殺未遂をしてしまうほど苦悩します。
この苦悩を乗り越えさせてくれたのが子供の愛でした。
僕を置いていくなんて許さない。
よくないママでもママだよ…
ジャックにとってジョイは唯一の母親であり、その愛情はたっぷり受けてきました。
記者の質問通りジャックを手放して病院で育ててもらっていたらジョイ以外の愛情を受けているのでしょうが、過酷な状況でもジョイがジャックに注いだ愛は、それらの愛とでは比にならないものでしょう。
ジャックのセリフで
世界はとても広いところだ、時間はバターのように引き延ばされて薄い
とあるように、監禁されていた時間は過去のものになっていきます。
しかし、本当の意味で決別したのはラストシーンからでした。
ラストシーンについて
ジョイは恐怖の根源であったあの ”ルーム(部屋)” に戻ってみようよとジャックから提案を受けます。
ジョイとジャックは、できることは何でも試す。時々怖いこともあるけど大丈夫。2人一緒だから。ということから再び ”ルーム(部屋)” に行きます。
広い世界を知ったジャックは ”ルーム(部屋)” が縮んだと錯覚します。
ジャックは少し部屋を懐かしんでいるようにも思えました。
ジャックは、冒頭のシーンと同様に物に対してお別れを告げていきます。
ラストシーン、ジョイは口パクで「グッバイ、ルーム」と言っています。(多分)
この無音のセリフにより、本当の意味での過去との決別ができ、ジョイとジャックの新しい世界が始まったのではないでしょうか?
気になったこと
フリッツル事件
気になる方は読んでみてください。
ja.wikipedia.org
子役
ジェイコブ・トレンブレイ君だそうです。
カナダ出身で現在13歳(2006年生まれ)の天才子役です。ちなみに性別は男の子です。髪が長くてどっちらかわからなかった人も多いのではないでしょうか?
ルーム以外の出演作品は下記リンク参照してください。
eiga.com
最後に
この映画を見た後はコメディーを見てバランスを取りましょう